篠笛七本調子の運指表を図解!ドレミ調と古典調の完全ガイド
こんにちは。雅の響きと東方の調べ、運営者の響(ひびき)です。
篠笛の七本調子の運指表を探しているあなた、「指をどう押さえればいいの?」「ドレミと数字譜の対応がわからない」「唄用と古典調で運指が違うって本当?」といった疑問を抱えていませんか?
篠笛をはじめたばかりの頃、運指表を見ても指穴の番号とドレミの関係が頭の中でうまく結びつかなくて、けっこう悩んだ記憶があります。特に七本調子はB調(シ)の音が基準になるため、ピアノの鍵盤と照らし合わせてもすぐにはピンとこないんですよね。
この記事では、篠笛の七本調子における運指表を、唄用(ドレミ調)と古典調(お囃子用)の両方でわかりやすく解説します。呂音・甲音・大甲音の吹き分け方、初心者がつまずきやすい指の押さえ方のコツ、そして七本調子と八本調子の違いまで、ひとつひとつ丁寧にお伝えしていきます。
篠笛の数字譜(一・二・三…)とドレミの対応関係も表でまとめましたので、ぜひ手元に置きながら練習の参考にしてみてください。
- 七本調子(B調)の音階と運指表の基本的な読み方
- 唄用(ドレミ調)と古典調(お囃子用)の運指の違いと見分け方
- 呂音・甲音・大甲音を吹き分けるための息のコントロール方法
- 七本調子と八本調子の違いと、初心者が選ぶべき基準
篠笛の七本調子の運指表を読む前に知っておきたい基礎知識

運指表を実際に見ていく前に、まず篠笛の七本調子そのものについて少し整理しておきましょう。「どんな楽器なのか」「なぜ初心者に選ばれるのか」を理解しておくと、運指表の意味がぐっと掴みやすくなります。唄用と古典調という2種類の違いも、ここでしっかり押さえておくのがポイントです。
七本調子の音程(キー)はB調(シ)

篠笛には「一本調子」から「十二本調子」(さらにそれ以上の調子が存在する場合もあります)まで様々な種類があります。数字が小さいほど管が太く・長くなって音が低くなり、数字が大きいほど管が細く・短くなって音が高くなります。
その中で「七本調子」は、西洋音楽の音名でいうとB調(シ)に相当します。具体的には、唄用(ドレミ調)の七本調子で「一(ひ)/ド」の音を吹くと、ピアノの「B4(シ)」の音と一致します。
ちなみに「八本調子」はC調(ド)で、ピアノの音階と完全に一致するため「ドレミがそのまま通じる調子」とも言えます。七本調子はそれより半音低い位置に基準音があるイメージですね。
豆知識:調子と音程の関係
六本調子=Bb(シ♭)、七本調子=B(シ)、八本調子=C(ド)という順番で、半音ずつ高くなっていきます。篠笛を複数持つ場合は、この音程の関係を頭に入れておくと、どの篠笛をどの曲で使うかが判断しやすくなります。
初心者に七本調子がおすすめな理由

篠笛をはじめて購入する方に「まず七本調子か八本調子を」とよくすすめられます。その理由はいくつかあります。
まず、管の長さと太さが手になじみやすいこと。低音域の一本〜五本調子は管が長く太いため、指穴の間隔が広くなり、手の小さな方や初心者には扱いにくいことがあります。一方で七本調子は適度なサイズ感で、指が無理なく穴に届きます。
次に、息のコントロールが習得しやすいこと。低すぎず高すぎない音域であるため、腹式呼吸やアンブシュア(唇の形・当て方)を練習するのに最適な難易度と言えます。
そして、教材・楽譜の豊富さ。市販の教則本や練習曲の楽譜は、七本調子・八本調子向けに書かれているものが非常に多く、独学でも情報を集めやすいです。
七本調子が初心者におすすめな3つの理由
- 管のサイズが適度で指穴に無理なく届く
- 腹式呼吸・アンブシュアの練習に最適な音域
- 教則本や楽譜が豊富で独学でも進めやすい
唄用(ドレミ調)と古典調の違いと見分け方

篠笛には大きく「唄用(ドレミ調 / 改良調)」と「古典調(お囃子用)」の2種類があります。同じ七本調子でも、この2種類では運指表がまったく異なるため、自分の篠笛がどちらのタイプかを確認してから運指表を参照することが大切です。
唄用(ドレミ調)とは
西洋音階のドレミファソラシドが正確に演奏できるよう、指穴の位置や大きさを調整・改良した篠笛です。現代音楽、J-POP、アニメソング、ピアノや和太鼓との合奏など、幅広い用途で使われます。
唄用の特徴は「指穴の大きさが不揃い」なこと。ドレミの音程を正確に合わせるために、穴ごとに大きさや位置が微妙に調整されています。また、管の内側に漆や合成樹脂が塗られていることが多いです。
古典調(お囃子用)とは
日本古来の伝統的な製法で作られた篠笛で、指穴の間隔や大きさがほぼ均等です。西洋音階のドレミには正確に一致しませんが、これが祭囃子や神楽・獅子舞などに独特の情緒ある響きをもたらします。
地域のお祭りや伝統芸能を目的として購入する場合は、古典調が適しています。ただし、他の楽器(ピアノやギターなど)と一緒に演奏したい場合は唄用の方が使いやすいです。
| 種類 | 指穴の特徴 | 主な用途 | ドレミ対応 |
|---|---|---|---|
| 唄用(ドレミ調) | 大きさが不揃い | 現代音楽・他楽器との合奏・J-POP・アニメソングなど | ◎ 正確に対応 |
| 古典調(お囃子用) | 大きさがほぼ均等 | 祭囃子・神楽・獅子舞・伝統芸能など | × 対応しない |
篠笛の指穴の番号と構え方の基本

運指表を読む前に、指穴の番号の付け方を確認しておきましょう。篠笛の指穴は、唄口(息を吹き込む穴)に近い側から「第一孔」、遠い側(管の末端側)に向かって「第七孔」と呼びます。
具体的には、左手(上側)が第一孔〜第三孔、右手(下側)が第四孔〜第七孔を担当します。篠笛は右斜め前方(約45度)に構え、肩や肘に余計な力が入らないようにリラックスした姿勢が基本です。
指穴の押さえ方の基本ルール
- 指の「腹(パッド部分)」で穴を包み込むように塞ぐ
- 左手:親指・人差し指・中指・薬指を使用(小指は軽く添えるか浮かせる)
- 右手:親指・人差し指・中指・薬指・小指を使用
- 指全体の力を抜き、「穴に指を置く」感覚で押さえる
七本調子の運指表と吹き方の完全解説

いよいよ本題の運指表と吹き方の解説です。ここでは唄用(ドレミ調)の七本調子を中心に、呂音・甲音・大甲音の3つの音域ごとに運指を詳しく見ていきます。古典調の運指についても触れますので、お祭り・囃子用に練習している方もぜひ参考にしてください。
呂音・甲音・大甲音の運指とドレミ対応表

篠笛には3つの音域があります。呂音(りょおん)が低音域、甲音(かんおん)が中〜高音域、大甲音(だいかんおん)が超高音域です。
呂音と甲音は基本的に同じ運指で、息のスピードと唇の形(アンブシュア)を変えることで音域を切り替えます。大甲音だけは特殊な運指(クロスフィンガリング)が必要になります。
下の表では「●」が指穴を塞ぐ、「○」が指穴を開ける、「◎」が半開(半分だけ開ける)を示しています。表記順は左から順に「第七孔 / 第六孔 / 第五孔 / 第四孔 / 第三孔 / 第二孔 / 第一孔」です。
| 数字譜 | ドレミ | 西洋音名 | 運指(七→一孔) | 音域 |
|---|---|---|---|---|
| 筒音 | — | A#/Bb | ● ● ● ● ● ● ● | 呂音 |
| 一(ひ) | ド | B(シ) | ● ● ● ● ● ● ○ | 呂音 |
| 二(ふ) | レ | C#(ド#) | ● ● ● ● ● ○ ○ | 呂音 |
| 三(み) | ミ | D#(レ#) | ● ● ● ● ○ ○ ○ | 呂音 |
| 四(よ) | ファ | E(ミ) | ● ● ● ○ ○ ○ ○ | 呂音 |
| 五(ご) | ソ | F#(ファ#) | ● ● ○ ○ ○ ○ ○ | 呂音 |
| 六(ろ) | ラ | G#(ソ#) | ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ | 呂音 |
| 七(ち) | シ | A#(ラ#) | ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ | 呂音 |
| 一(ひ) | 高いド | B(シ) | ● ● ● ● ● ● ○ | 甲音 |
| 二(ふ) | 高いレ | C#(ド#) | ● ● ● ● ● ○ ○ | 甲音 |
| 三(み) | 高いミ | D#(レ#) | ● ● ● ● ○ ○ ○ | 甲音 |
| 四(よ) | 高いファ | E(ミ) | ● ● ● ○ ○ ○ ○ | 甲音 |
| 五(ご) | 高いソ | F#(ファ#) | ● ● ○ ○ ○ ○ ○ | 甲音 |
| 六(ろ) | 高いラ | G#(ソ#) | ● ○ ○ ○ ○ ○ ○ | 甲音 |
| 七(ち) | 高いシ | A#(ラ#) | ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ | 甲音 |
| 大甲 一 | 高いド | B(シ) | ● ● ● ● ● ● ○ | 大甲音 |
| 大甲 二 | 高いレ | C#(ド#) | ● ● ● ● ● ○ ○ | 大甲音 |
| 大甲 三 | 高いミ | D#(レ#) | ● ● ● ● ○ ○ ○ | 大甲音 |
| 大甲 四 | 高いファ | E(ミ) | ● ● ○ ● ● ○ ○ | 大甲音 |
| 大甲 五 | 高いソ | F#(ファ#) | ● ○ ● ● ○ ○ ○ | 大甲音 |
| 大甲 六 | 高いラ | G#(ソ#) | ○ ● ● ○ ○ ○ ○ | 大甲音 |
表を見てもらうとわかる通り、呂音と甲音は運指がまったく同じです。同じ指の形のままで、息のスピードと唇のコントロールだけで音域を切り替えます。大甲音の四・五・六だけは、クロスフィンガリングと呼ばれる特殊な運指になっています。
注意:大甲音の運指はメーカーや個体で異なる場合があります
大甲音(特に四・五・六)の運指は、篠笛の製作者やメーカーによって最適な押さえ方が微妙に異なることがあります。上記の運指はあくまで一般的な代表例ですので、ご自身の篠笛で音が安定しない場合は、製作者の指定する運指表や教則本を合わせて参照することをおすすめします。
古典調(お囃子用)七本調子の音階と運指の特徴

古典調の篠笛は、西洋音階のドレミには対応しません。そのため運指表も数字(一・二・三・四・五・六・七)に基づいた伝統的な表現になります。
基本的な運指の流れはシンプルで、すべての指穴を塞いだ状態が「筒音(つつね)」、そこから下(右手小指側・第七孔)から順に指を上げていくと「一」「二」「三」と音が上がっていきます。
ただし、古典調の「三」や「六」の音は、西洋音階の半音の中間に位置することが多く、これが「いかにも和のメロディ」という独特の情緒を生み出しています。また、同じ「古典調七本調子」であっても、製作者によって微妙に音程が異なることがあるのが古典調の奥深いところです。
地域の祭りのお囃子を練習する場合は、師匠や先輩の奏者から直接指導を受けるのが一番確実です。楽譜(数字譜)は地域ごとに口伝で受け継がれていることも多く、インターネット上の一般的な運指表だけでは補えない部分があります。
古典調 vs 唄用の見分け方まとめ
- 唄用(ドレミ調):指穴の大きさが不揃い。管の内側に漆や合成樹脂が塗られていることが多い
- 古典調:指穴の大きさがほぼ均等。素朴な見た目のものが多い
- 判断に迷う場合は、購入した楽器店や製作者に確認するのが確実です
呂音・甲音・大甲音を吹き分けるコツ

篠笛の最大の特徴のひとつが、この「同じ運指で息のコントロールだけで音域を切り替える」技術です。最初のうちは意図した音域が出ずに戸惑うことも多いですが、コツを掴めば自然にできるようになります。
呂音(低音域)の吹き方
呂音は太く、温かく、ゆったりとした息で吹きます。唄口に対して少し下向きに息を落とすイメージで、唇はリラックスさせてアパチュア(唇の隙間)を少し広めに開けます。
「ふわっと息を乗せる」感覚が近いかもしれません。力強く吹こうとするとすぐに甲音に跳び上がってしまうので、力を抜いてゆっくり息を出すのがポイントです。
甲音(中高音域)の吹き方
甲音は細く、鋭く、スピードの速い息で吹きます。呂音よりも少し遠く(前方に)息を飛ばすイメージで、唇の両端を軽く引き締めてアパチュアを小さく平らにします。
口笛を吹くときのように「ピュッ」と細い息の束を作るイメージです。篠笛の演奏でメインになる音域なので、甲音を安定させることが上達への近道といえます。
大甲音(超高音域)の吹き方
大甲音は極めて速く、強い息が必要で、唄口の反対側のエッジ(歌口の縁)に正確に息の束を当てる精度が求められます。
力みすぎると音がひっくり返ったり、かすれた雑音になったりしやすいです。腹式呼吸でしっかりお腹から支えつつ、唇のコントロールを繊細に行うことが不可欠です。初心者のうちは大甲音が出なくても焦らず、まず呂音と甲音を安定させることを優先しましょう。
音域の吹き分け チェックポイント
- 呂音:太くゆったりした息。唇はリラックス。アパチュアは広め
- 甲音:細く速い息。唇を引き締め。アパチュアは小さく平ら
- 大甲音:最も速く鋭い息。正確なエッジへの当て方が鍵。腹式呼吸で支える
七本調子と八本調子はどちらを選ぶべき?

篠笛を購入する際によくある迷いが「七本調子と八本調子のどちらにするか」ということです。どちらも初心者向けとして推奨されていますが、目的によって選び方が変わります。
八本調子(C調)は西洋音階のC(ド)が基準なので、ピアノやギターなど他の楽器と合わせやすく、カラオケのキー設定とも合いやすいです。「ドレミ=そのままドレミ」という直感的な対応が魅力です。
一方、七本調子(B調)はCより半音低い落ち着いた響きで、日本的な情緒が出やすいという声もよく聞きます。七本調子向けの楽譜や教則本も多いので、篠笛の世界に入る最初の一本として選ばれることが多いです。
七本調子 vs 八本調子:選び方の基準
- ピアノ・ギターなど他楽器と合わせたい → 八本調子(C調)
- 日本的な情緒・和の雰囲気を大切にしたい → 七本調子(B調)
- どちらでもよい初心者 → 七本調子が教材・楽譜の豊富さで少し有利
篠笛についての詳しい情報は、公益財団法人 日本伝統文化振興財団が発信している伝統音楽の解説なども参考になります。また、国立国会図書館デジタルコレクションでは篠笛に関する古い教則本や資料も公開されており、古典調の伝統的な奏法を深く学ぶ際に役立ちます(国立国会図書館デジタルコレクション)。
音程が合わないときの対処法と注意点

「運指表通りに押さえているのに音程が合わない」というのは、篠笛を練習している人が必ずといっていいほど直面する壁です。その原因はいくつか考えられます。
指穴に隙間ができている
最も多い原因が、指穴を完全に塞げていないことです。指先や関節で押さえようとすると隙間ができやすく、そこから空気が漏れて音程が下がったり、かすれた音になったりします。必ず指の「腹(パッド)」の部分で、穴を包み込むように塞ぐことを意識してください。
息のスピードと唇のコントロール
同じ運指でも、息のスピードや唇の角度がわずかにずれると音程が変わります。特に「三(ミ)」や「六(ラ)」の音は音程が不安定になりやすいと言われます。これらの音でピッチが合わない場合、息のスピードや唇の開き具合を少しずつ調整してみてください。
楽器本体の問題
古典調と唄用を混同している場合、あるいは楽器自体の製作精度に問題がある場合も、音程が合わないことがあります。特に安価な篠笛では音程が不安定なものも存在します。音程の問題が改善しない場合は、楽器店や篠笛の製作者・先生に相談することをおすすめします。最終的な判断は、専門家に直接見ていただくのが一番確実です。
音程・調整に関する注意
篠笛の音程調整は、楽器本体を削ったり加工したりすることで行う場合があります。これは専門的な知識と技術が必要な作業です。独自の判断で楽器を加工することは、楽器を傷める恐れがあります。音程に関するお悩みは、必ず専門の製作者や先生にご相談ください。
篠笛七本調子の運指表を活用して演奏を上達させるまとめ

この記事では、篠笛の七本調子における運指表を中心に、唄用(ドレミ調)と古典調の違い、呂音・甲音・大甲音の吹き分け方、七本調子と八本調子の選び方まで幅広く解説してきました。
篠笛の七本調子の運指表は、数字譜(一〜七)とドレミ、そして西洋音名(B・C#・D#…)を対応させながら理解するのが一番スムーズです。最初は表を見ながらゆっくりと指を動かし、「この指の形がドの音だ」というのを体で覚えていきましょう。
大切なのは、運指を正確にすることと、息のコントロールを磨くことの両輪で練習を進めることです。どちらか一方だけでは美しい音は出ません。焦らず、毎日少しずつ積み重ねることが、篠笛上達への一番の近道だと私は思います。
七本調子の運指表をしっかり身につけて、あなただけの篠笛の音を楽しんでいただけると嬉しいです。練習の途中でわからないことが出てきたら、専門の先生や楽器店に遠慮なく相談してみてくださいね。
この記事のポイントをおさらい
- 七本調子はB調(シ)が基準音。初心者に適した管の長さと息のコントロールがしやすい音域
- 唄用(ドレミ調)は指穴が不揃いで西洋音階に対応。古典調は指穴が均等でお囃子向け
- 呂音と甲音は同じ運指、息のスピードと唇の形で音域を切り替える
- 大甲音の四・五・六はクロスフィンガリングが必要。製作者ごとに運指が異なる場合あり
- 音程が合わないときは、指の腹での塞ぎ方・息のスピード・楽器の種類を見直す
